銀座「十石」

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米 米
 
「お米を送り出すときは、娘を嫁に出す感覚に似ている」生産者の恩田さんはいう。この豪雪地帯の上小沢で、30年間米を作り続けてきた。肥料をまくとき、草を刈るとき、いつも稲に話しかけている。一年間、子を育てるように育てられた米は、十石のもとへ「嫁」に出される。恩田さんは、決して自分の米が一番だとはいわない。安全安心であるということも力説しない、当たり前のことを、当たり前にしているだけだ。
 
 
海苔 海苔
 
海苔は「どんこ」の取り扱い量で決まった。
どんことは、しいたけのこと。良質なものは、1箱1万円もする。形の整ったどんこは、1000個に1個しかとれない。しかも、乾燥しているため、少しの衝撃で欠けてしまい、常に室温を一定にしておかないと、すぐにだめになる。どんこは、とてもデリケートな商品だ。それをこれだけ大量に扱うということは、それだけ品質管理が整っているということ。海苔の品質管理は、もはや見るまでもなかった。「これだけ大量にどんこを扱うところは、日本中にもあまりないようです」と、海苔屋の長谷川氏は言う。
 

長谷川氏の海苔は、回転寿司屋には卸さない。また、どんなに取り扱い量が多いお客様でも、海苔を粗雑に扱うのであれば、取引をやめてしまう。それだけ、海苔に対する思い入れが強いのだ。

米、海苔の自然界の産物に頼るおむすびでは、良い原料は、当然高い。この長谷川氏が十石に納める海苔は、通常出荷される海苔の3倍も手間がかかる。色が黒くて、歯切れがよく、味がある、この条件を満たすためには、のりを焼く工程で、3倍の時間を必要とする。「私たちがお付き合いしているなかでも、十石さんは一番うるさいお客様です(笑)。でもそれが勉強になります。はじめに、東京なんかでやっているおにぎり屋に、美味しい米がだせるか、と思っていました。十石さんのおむすびを食べさせていただき、新潟県人の私たちでも驚くお米で、ぜひこのおむすびを、私たちの海苔で包みたい、そんな思いでお付き合いが始まりました」

 
 
塩 塩
 
十石は、この塩を何十種類もの自然塩の中から選んだ。調べたなかでは、一番結晶が細かい塩だ。結晶が細かいため、素材への浸透が早く、素材の甘味、旨味をすばやく引き出すという。長崎の製麺業者が、麺の美味しさを引き出す為に、お塩の研究にのりだし、作り出した塩だ。触ると、砂糖と間違えるほど、サラサラと細かい。十石のお米の甘さを引き立てる名わき役だ。
 
 
梅 梅
 

「梅干に、ハチミツを加えたらどうなるだろう」、梅の生産者のこのヒラメキから、はちみつ漬けの紀州梅は生まれた。
紀州のこの産地では、梅を実らせるのに、自然受粉で行う。そのため、梅畑では昆虫が多い。その中で特に多いのが、蜜蜂だった。

すっぱい梅干しに、甘いハチミツをいれる、当時は全く受け入れらなかったという。日々の試行錯誤から、徐々に味が整い、今では、紀州を代表する味になった。

 

「梅だけ、売ってください」、「友人に『騙されたと思って、十石の梅のおむすび食べてみて』と勧められて以来、十石の梅のファンです」、「毎日サプリメント代わりに食べています」、など沢山のお客様の声を頂く。
十石の素材には、このような素材が多く含まれている。